1500年代、L・ダ・ヴィンチは、当時急速に進歩し始めた科学技術の基礎知識を、自分の精緻な自然観察と結び付けて、様々な新しい発見や発明、そして表現を試みました。その全てに共通するのは、物事の基準として常に「人」を念頭に置く、という原則でした。彼が示した創意の多くが今日実現されていますが、その中心に「人」がきちんと据えられているかどうか、もう一度見直して見るべき時が来たようです。L・ダ・ヴィンチの時代から五百年を経て、来世紀が新しい「ルネサンス」で始まることを、多くの人々が予感しています。
1940年代、ノーバート ウィーナは制御という概念を、人を含む生態系にまで共通の制御・通信系として規定し「サイバネティックス」を創始しました。その後、彼は機械化が進んだ世界の弱点を予見し、それを克服するためには、人間の平衡感覚で機械を制御できるシステムが不可欠であると主張しています。
当社は、サイバネティクスの理想を素直に受け継いでサイバネティック・テクノロジーを育み、顧客ニーズを先取りすることで「仕事が出来る」製品群を着実かつ永続的に提供し続けることにより、人々に真の豊かさをもたらす21世紀型ルネサンス実現の先陣を切る高水準の「創造エンジニアリング・ビジネス」を展開しています。
サイバネティックテクノロジーは、「機械」・「制御」・「通信」・「情報」という物創りの根本技術をモジュールとして確立し、それらを目的に応じて組み合わせる統合技術です。そのキーポイントは「現実を見る」機能を大切にすることであり、これは創造的な製造業にとっては普遍的なものです。従ってサイバネティック・テクノロジーによる事業は、世の中の個別の製品市場の浮沈を乗り越えて成長し続けることが可能です。